「新世紀へようこそ」 読者からのコメント
2003年3月15日

新世紀へようこそ 096 の感想

 いつも「新世紀へようこそ」を拝読しています。今回は第九条のことについて書かれていたので、特に心が動きました。短く感想を送らせて下さい。
 私は、いまロンドンに住んでいるのですが、日本人のプライドは第九条にあり、と思っています。これは一種の哲学です。よく日本の平和憲法のことを他の国の人に言うと、「なら、他国が攻めてきた時、どうするの?」と半分バカにされますが、それでも私はこの第九条こそ誇りだと思っています。ただの理想かもしれない。これは現実的、実践的な憲法ではないかもしれない。けれど、私たちはここで暴力を放棄し、人間の知性を信頼すると宣言しているわけです。これは世界に誇れることなんです。知性というとそれが悪用されることや、倫理なき技術開発みたいなことにもつながりやすいので、叡智とでも言い直しましょうか。
 先月、ドイツのフィッシャー外相が記者会見でぼろぼろ泣きながら、反イラク攻撃を訴えているシーンがニュースで映し出されました。別に泣けと言っているわけではありませんが、日本の政治家にはそこまで平和主義を全身でもって訴えている人がいるのでしょうか。
 4月に日本に帰る予定ですが、いまから逆カルチャーショックが怖いです。どうして60年代にあれほど熱かった人たちが、こんなに自分達の生命にかかっている問題に無関心でいられるのかわかりません。イギリスの人たちを駆り立てているのは、この危機がダイレクトに自分たちの生命にかかわるからです。そして、September11がなぜ誰によって起きたのか、アフガニスタンを攻撃したことはいったいどういうことだったのか、どうしてイラク攻撃が必要なのか、ほんとに石油の問題なのか、イラクが所持している兵器が問題なのか、なにもかもが釈然としないまま戦争に無理矢理ふみきろうとしていることに怒っているわけです。
 そして自分たちの名で、このわけのわからない戦争が起こるかもしれないことに対して強い怒りを抱いています。自分達は自分の国に対してだけでなく、世界の一員としての責任があり、政府は「お上」ではなくて、政治家は自分達の単なる代表者なのだと意識があるんです。
 日本の人たちの関心の低さをここで嘆いても仕方ありません。でも、これだけ、他人事(では全然ない。もし開戦されたら、日本も「現場」になる可能性は充分高い。あるいはすでに「現場」になる可能性は十分ある)みたいにしてられるのは、生命力が落ちているからじゃないかと思います。もっと根源的に、生きていこうとする力をなくしているんじゃないかと思います。
 北朝鮮拉致事件からイラク攻撃の問題にいたるまで、この半年、日本のマスメディアにはつくづくがっかりしました。
 なんだか愚痴になりそうなので、ここでやめておきます。明日は、ロンドンでGlobal Candlelight Vigil for Peaceに参加したいと思います。憲法記念日に御本を拝読できるのを楽しみにしています。それでは。

福田幹 / Miki FUKUDA

追記
 ロンドンのAngel(その名のとおり天使の像の下で)でGlobal Candlelight Vigil for Peaceに参加しました。最初は30人くらいだったのが、あっというまに250人くらいにふく
らみました。

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